海がきこえるを歩く作品紹介
2011.07.22更新更新
新青柳橋

海がきこえるに魅せられて


 

 アニメ版「海がきこえる」を初めて知ったのは、93年5月5日ゴールデンウイークに日本テレビ系で初放送されたのを見たのが最初でした。地方都市の高知を舞台した青春ストーリーで、主人公拓が土佐弁を喋るのを何とも新鮮に思えたものです。

 作品の主人公である武藤里伽子と杜崎拓のちょっとした感情のすれ違いに、じれったいと思いながらも何度と見直すたび「海がきこえる」が好きになり、96年夏から舞台である高知へロケ地探しに十五回以上訪れるほど大ファンになっていたのです(笑)。

 「海がきこえる」は、主に高知市内が舞台なためスタジオジブリ制作スタッフにより綿密なロケハンが92年8月に行われました。帯屋町アーケード街、高知城、天神大橋など実在の街並みがよりリアルに映像化されています。

 ロケ地を探すきっかけは、えいみいるさんの同人誌「海がきこえる読本」(94年8月発行)「〜海がきこえるの舞台を訪ねて〜」旅行記事を読んで大いに触発されたのでした。この本がなかったら高知へは出かけなかったでしょう。出会いに感謝しています。

 また、ロケ地を探すガイドブックとして、アニメ場面が一冊になった「海がきこえるフィルムBOOK」を参考にするのですが、思ったより探すのに時間が掛かりました。高知市内と言っても広く、設定を微妙に変更された箇所あったりで大変でしたが、アニメと同じ場面を探し当てたとき、里伽子と拓の世界に少しでも浸る事が出来て最高の気分でした(笑)。

 アニメ、小説、実写版のどれか一つでも「海がきこえる」に興味がある人がこの「海がきこえるを歩く」HPを見てロケ地探しの手助けになれば嬉しいです。ロケ地巡りは楽しいですよ!!

 海がきこえる関係者へのお礼

 演出の望月智充監督と脚本の中村香さん、高知の夏の雰囲気が出ていた美術監督の田中直哉さん、プロデューサーの高橋望さん、及びスタジオジブリ若手制作集団スタッフと、里伽子の声がピッタリな坂本洋子さん、土佐弁のうまい拓の飛田展男さん、気持ちよい音楽の永田茂さん、そして編集担当の三ッ木早苗さん。作品に携わった全ての関係者に最大の敬意を表したいと思います。

 最後に、自分の人生に影響を与えた原作の氷室冴子さんと、里伽子と拓という素敵なキャラクターを生み出した近藤勝也さんに感謝します。

 2008年6月6日、氷室冴子さんは肺ガンのために51才で永眠されました。里伽子と拓のその後の物語を楽しみに待ち望んでいましたが永遠に未完となり残念です。海がきこえるファンの一人として素敵な作品をありがとうございました! 心からご冥福をお祈り申し上げます。 

 あなたも里伽子と拓の青春の舞台を訪ねてみませんか?


海がきこえる作品紹介

  アニメ「海がきこえる」は、月刊「アニメージュ」(徳間書店刊)90年2月号〜92年1月号まで氷室冴子/原作、近藤勝也/画で連載されたのを、「もののけ姫」のスタジオジブリで望月智充/監督、近藤勝也/作画監督によりアニメ化され93年5月5日ゴールデンウイークに日本テレビ系で放映されました。同年、12月25日より中野武蔵野ホールと大阪、山形の三都市でも上映されています。未確認情報ですが同年一度だけ年末に再放送されたとの報告もあります。

 のちに、連載版を大幅加筆・訂正を加えて「海がきこえる」93年3月と、続編ともいえる「海がきこえるU アイがあるから」95年5月に徳間書店より単行本されました。99年6月に単行本より加筆・訂正して2冊とも文庫本化されています。

 93年6月25日、「海がきこえる」はVHS ・LD同時発売されました。限定発売ですが、96年8月1日、「ジブリがいっぱい スタジオジブリLD全集」に未収録の予告編と一緒に収録されています。99年7月23日、「ジブリがいっぱい COLLECTION 海がきこえる」でビデオ発売されました。

 95年12月25日、クリスマススペシャルドラマとして「海がきこえる アイがあるから」(杜崎拓/主演・武田真治、武藤里伽子/佐藤仁美)テレビ朝日系で実写版としても放映されました。

 03年8月8日、「ジブリがいっぱい COLLECTION 海がきこえる」にて待望のDVDが発売されました。ジブリ作品ファンならぜひとも一度見られることをお薦めします。

 11年7月15日、18年ぶりに金曜ロードショー(日本テレビ系)にて海がきこえるがゲド戦記と2本立てで全国放送されました。

アニメあらすじ

 東京の大学へ進学した杜崎拓は、吉祥寺駅の反対側ホームにある人影を見た。中央線下り列車に姿を消したその人影は確かに武藤里伽子に見えた。だが、里伽子は高知の大学に行ったのではなかったのか。高校の同窓会の通知を受け取った拓は、その日付にあわせて帰省することにした。高知へと向かう飛行機の中で、拓の思いは自然と里伽子と出会ったあの2年前の夏の日へと戻っていた---。

 ---高校2年の夏、拓の前に親の離婚問題で東京から高知に転校してきた里伽子が現れる。里伽子は勉強もスポーツも万能の美人。その里伽子に、親友の松野が魅かれていることを知った拓の心境は複雑だった。拓にとって里伽子は親友の片思いの相手という、ただそれだけの存在だった。それだけで終わるはずだった。高校3年のハワイの修学旅行までは・・・。
(リリースシートより)


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中島 秋則 ( C ) 1999-2011 NAKAJIMA Akinori